「夢のフルコンに買い換えるから、今まで乗っていたハイエースは手放そうか……」
もし今、そんな迷いを抱えて画面の前で頭を抱えている方がいたら、まずは先に結論をお伝えします。
絶対にハイエースを手放してはいけない。手元に残しておいて金銭的にも精神的にも損をすることはまずありません。
大事なことなのでもう一度言いますが、
無理して1台に集約せず、そのまま手元に残すのが正解です。
私はこれまで初代ハイエース(ワイド・ガソリン)から始まり、zil520、サンリビング(7m)、そして現在の愛車であるアドリア ソニック700SL(7.5m)と、徐々にサイズアップしてきました。田舎住まいで車を停める敷地だけは無駄にあるのをいいことに巨大化を極めてきたわけですが、数々の冷や汗を流した果てに行き着いたのが、最高峰フルコン(ハイ)と2代目のナロー(標準幅)・ディーゼルのハイエース(ロー)を組み合わせる『ハイ&ローMIX運用』です。
なぜ総額2千万円規模の実用投資をしておきながら、あえて「2台持ち」を推奨するのか。日本の道路事情という名の過酷な現実に揉まれてきたリアルな本音をお話しします。
なぜ「2台持ち」がマストなのか?(7.5m級の壁と日本の現実)
7.5m級のアドリア ソニック700SLを運用し始めて、私が最初に突きつけられたのは圧倒的な「物理的限界」でした。
車幅2.3m超、全長7.5mという巨大な塊は、ひとたび走り出せばまさに走る温室状態です。我が家には同乗者として体重40kgを超える大型犬(ジャーマン・シェパード)がおり、旅先での電源確保や停車中のエアコン稼働は命に関わる絶対条件。居住性と安全性を第一に考えればソニック一択なのですが、日本国内のインフラは明らかにこのサイズを想定していません。
目的地周辺の道幅や駐車場が100%クリアだと分かっている場所ならソニックを出動させます。しかし、初めて向かう場所はGoogleマップのストリートビューでの事前確認が必須。必要であれば施設へ直接電話を入れて「7.5m・幅2.3m超でも停められますか?」と問い合わせます。
そして「疑わしきはハイエース」。
これが我が家の絶対ルールです。特に東京・京都・大阪・名古屋といった都市部や狭い温泉街へ出向く際、大型フルコンで行こうものならコンビニの駐車場に入るだけで白目をむくことになります。
1回の出動でメンタルを削られるアドリア ソニック vs 機動性のハイエース
以前、前日の大雨で道路が崩落し、片側交互通行になっていた現場に差し掛かったことがありました。工事車両と山肌に挟まれた道幅はまさにギリギリ。助手席の配偶者の協力なしには通過できず、「あ、これマジで詰むかもしれない……」と背中に冷たい汗が流れたのを強烈に覚えています。
どれほど車内空間が快適でも、目的地に到着する前にドライバーのメンタルが削り取られてしまっては本末転倒です。乗せている大切な同乗者や愛犬に不安を感じさせないためにも、「無理な出動をしない」ためのリスクヘッジの引き出しが必要になります。
じゃあハイエースだけで良いのかと言われると、それも違います。
移動中、大型犬も足元広々で体を横にして寝られるソニックが大好きです。目的地に着いてしまえば、圧倒的な快適空間とエアコン環境が待っています。行ける店が減ってでもソニックを選びたい、というのが本音です。
逆にハイエースは、どこにでも行ける機動性は無敵ですが、長距離の乗り心地はそれなりに厳しい。「乗っている全員で耐える」感覚があり、旅の疲労感が全然違います。
- ソニック(ハイ): 目的地が確定している「計画的で最高の快適旅」
- ハイエース(ロー): ぶっつけ本番、狭い温泉街、気ままな「機動旅」
この2台があるからこそ、無理な計画を立てずにストレスフリーで旅ができる。「選択肢がある幸せ」こそが、ハイ&ローMIX運用の醍醐味です。
ハイエースの維持費は、大型フルコンを擦るリスクに対する「最強の保険代」
「そうは言っても、車を2台維持するのはお金がかかるのでは?」と思うかもしれません。ですが、現実的な視点から考えると見え方がガラリと変わります。
ハイエースを所有し続ける維持費なんてものは、大型フルコンを狭小路や狭い駐車場に無理やり突っ込んで「ガリッ」と擦り、修繕費で数十万〜数百万を一瞬で飛ばすリスクに対する保険代だと割り切れば、安いものです。
あの巨体で冷や汗をかきながら狭い路地に迷い込む精神的ストレスや、修繕に追われるリスクを考えれば、どこにでも突っ込めるハイエースが手元にある安心感は計り知れません。
さらに、ハイエース(特にディーゼル4WD)はリセールバリューが異常なほど落ちないという強みがあります。手放さずに所有し続けても、資産価値の面で金銭的な損をすることがほとんどないのも大きな魅力です。
結論:すべての中心に「ハイエース」を置くライフスタイル
私にとって、ハイエースはすべてのカーライフの「軸」です。
初代のワイドガソリンから様々なキャンピングカーを経て、最終的にナローディーゼルのハイエースに行き着いたのも、この「日本のどこへでも行ける万能さ」を再認識したからに他なりません。
基本に万能なハイエースを置いておき、そこに足りない能力(居住性や極上の快適さ)を補うものとしてアドリア ソニックを選ぶ。このベースがあるからこそ、私はオープンカーも持っていられるし、フルコンも安心して所有できています。この万能感は本当にすごいです。
「フルコン1台にまとめて、日本の道路事情にストレスを感じながら乗る」のか。 「ハイエースを手元に残し、ハイ&ローMIXで日本の四季をストレスフリーに楽しむ」のか。
大型キャンピングカーの購入や乗り換えで迷っているなら、ぜひ「ハイエースを残す(買い直す)」という選択肢を真剣に考えてみてください。絶対に後悔しないはずです。






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